きになるおみせ
麺ひとすじ、創業73年!【多田製麺所】
今の時代、スーパーに行くとさまざまな麺が並んでいる。
そんな中、今市商店街に麺の製造と直売を地道に営まれている店、【多田製麺所】
創業は昭和21年(1946)。何と創業して70年を超える。
現在は今市商店街に店を構えておられるが、以前はもう少し千林大宮駅寄りに店があった。
店主は多田克司さん。お父さんが創業され、克司さんは2代目。現在はご家族3人で営まれている。
店頭に並ぶのは田舎そば、中華そば、うどん2種。
店頭には並んでいないが、生パスタやちゃんぽん麺も販売されている。
製造過程についても、少し見せていただいた。
まずミキサーを使って、材料を混ぜ、
圧延機で延ばし、
そしてカッターで切る。
麺の太さはこの棒状の部品で、ミリ単位で調整される。
こうして作られた麺は圧力釜で茹でられ、店頭へ。
圧力をかけて茹でることでコシのある麺が仕上がる。
麺というと昔から変わらないイメージがあるが、
研究を重ね、その時代に合った製品づくりをされている。
あえて小麦粉は国産にこだわっていない。
「供給が安定していて、品質のブレが少ないものを選んで使用しています。」
製造された麺は店頭販売の他、近くの食堂やお好み焼き店に卸されている。近年はインターネットを通じて、東京などへも出荷されているそう。
かつて旭区に10店舗近くあった製麺所は、今では2店舗ほどだとか。価格競争、得意先の廃業、後継者問題など個人店の背景には様々な問題がある。
物流や人の流れが変化し、商店街に昔の様な活気はないのかもしれない。
それでも多田製麺所は対面販売を大切にしている。
「おいしいと言ってもらえることが一番うれしい。あまりしんどいことは考えないようにしています。」と多田さんは語る。
麺のように長く続いて来た理由は、意外とシンプルなところにあるのかもしれない。
【多田製麺所】
所在地:大阪市旭区今市1丁目8-16
電話番号:06-6953-0178
営業時間:10時~18時
定休日:木曜日
ホームページ:http://www.tadaseimen.jp/
取材・写真:もっち、さかもっちゃん
文:もっち