化学調味料 一切不使用!信念貫く中華そば【いちかばちか】

京阪千林駅を出てすぐ、60店舗がひしめく千林駅前あじな商店街。
立ち呑みから寿司、割烹、粉もん、バル、バーやカフェまで、安くて庶民的な店が所狭しと立ち並ぶ。

 

その真ん中に位置する中華そば『いちかばちか』

 

店内に入ると、まず驚かされるのは、
綺麗に磨かれたテーブルをはじめとした清潔感。

味はいいが、店は汚いといったひと昔前のラーメン屋にありがちなイメージは一切ない。

 

 

 

定番メニューは、塩、味噌、醤油の三種。

各々、調味料には化学調味料を一切使っていない。

 

 

店主の川勝肇さんによると、

「塩は香りがほとんどないため誤摩化しがきかない。塩ラーメンに(化学調味料ではない)旨味を持たせるのには もっとも苦労しました。」という。

 

 

大量の昆布でだしをとり、モンゴル、ドイツ、沖縄、愛媛、瀬戸内の自然塩をブレンドして、味をととのえ、香ばしいエビの風味が香るエビ油で仕上げる。

さっぱりしてるようで濃厚な味わいの塩ラーメンは絶品だ。

 

 

 

味噌ラーメンには、信州天然蔵の木樽で2年熟成させた赤味噌を使用。

国産原料・天然木桶熟成の味噌は全国流通量の2%以下といわれる。

 

 

大豆の旨みを十分に含み、芳醇な香りを持つ。

「木樽で寝かせたものは まろやかさが際立つんです。」と店主。

 

焦がし玉ねぎ油で仕上げる、その甘味と苦味の交錯がたまらない。

 

 

 

醤油は、江戸の伝統がいきる生粋の本醸造しょうゆを使用。
高級割烹用として重宝され、豊かな風味を持ちながら、色、味、香りのバランスも整ったあっさり系のヒゲタ醤油の本膳。

 

 

甘くつけこんだとろとろのチャーシューとの相性がばっちり。

どれもあっさり系の中華そばで〝体に優しい感〟が目一杯伝わってくる。

 

 

 

 

季節に応じて提供される特別メニューは、店主の川勝さんが、普段の従業員のまかない飯などをヒントに、ピンっと発想が湧き出てくるのだとか。

 

さっぱりとした白湯つけめんは、明らかに良質と分かるカツオの風味が食欲をそそる。

 

 

 

ほどよくピリ辛のスパイシーカレーまぜそばは、二種類のねぎの食感が変わっていて面白い。最後に〆の飯付きで三度楽しめる。

 

 

 

 

店主の川勝肇さんは、ロイヤルホテルの中華部門で10年、
天六の有名店、中華の『十八番』で10年の修行をつんだ後、3年半前にこの地にやってきた。

 

 

元々、ラーメン大好きの川勝さんは、
丼ぶり鉢一つに、その技術や思いを完結できる魅力に惹かれて、
ラーメンで勝負する道を選んだという。

 

店名の「いち(一)かばち(八)か」は十八番から譲りうけた。

 

開業当初は、「科学調味料を使わないやなんて、手間やし、無謀やからやめとけ」という先輩などの意見もあったが、今日も信念を貫き通している。

 

 

 

夜は、中華で鍛えた腕を生かした、ワイルドな唐揚げやエビチリなどサイドメニューも充実。
いっぱい飲んで、最後にラーメンで〆の常連客も多いのだとか。

 

 

 

文 ほつう

写真 さかもっちゃん

取材 ほつう しのぶちゃん やまちゃん さかもっちゃん

 

 

【いちかばちか】

〒535-0012 大阪府大阪市旭区千林2丁目15−12
【営業時間】11:00~14:30/18:00~22:00
【TEL】090-5065-7083

 

 

あじな商店街 中ほどにあるバー寿さんの奥にあります

 

 

千林商店街からは、
ソフトバンクとUFJ銀行の間の路地をまっすぐ進む。徒歩30秒。

 

 

 

 

 

更新日:2018年12月26日| たべる